2025年5月某日、夜のZoom画面越しに交わされた言葉が印象的だった。

「現状維持メカニズムが来たってことは、新しいことに挑戦してる証拠なんですよ」

語ったのは、婚活コーチ・角武法(すみ たけのり)氏。聞き手は、現在婚活プログラムを受講中の岩瀬さん。今回は、その二人の対話の中から、“変化を起こす力”と“自己肯定感”について掘り下げてみたい。


「反発が起きるのは、成長のサイン」

角氏はこの日、まず会話課題の意義について説明した。これは、実際の会話練習を通じて「笑顔」「共感」「質問力」といったコミュニケーション能力を高めるためのもので、「試合(婚活パーティー)」に臨む前の「練習」にあたるという。

「いきなり本番でうまくやろうと思っても、練習してなければ結果は出ない」と角氏は語る。課題の実施目標は月30回。岩瀬さんも「やります」と力強く応じた。


モチベーションが落ちたとき、どうする?

一方で岩瀬さんは、「意味があるのかな…と不安になることがあって…」と率直な気持ちを打ち明ける場面も。週末に活動できなかったことへの葛藤や、自分の進歩への疑念があったという。

角氏はそれに対し、「それがまさに“変化”の兆し」と力強く応じる。「今までの価値観が変わるとき、人は必ず反発や不安を感じる。だけど、それが成長の始まりなんですよ」


自己肯定感を育てる「7つの褒めポイント」

この日、角氏が強調していたキーワードが「自己肯定感」だ。

「どんなに小さなことでも、自分を褒める練習をしてください。毎日7つ、自分の良いところを挙げましょう。それが自信につながります」

岩瀬さんは少し戸惑いながらも、「ネットカフェに来てZoom受けてるだけでも、頑張ってるって言えますかね」と問いかける。角氏はすぐさま、「それは立派な努力です」と肯定する。


Zoom画面の向こうに見えた「誠実さ」

角氏は、岩瀬さんのスマホが動いてしまうことにも言及した。「話を聞いてないと思われるともったいないですよ」とやさしく注意しつつ、固定器具の提案など具体的なアドバイスも。こうしたやりとりからは、角氏の指導が単なるテクニックの伝授にとどまらず、“人としての成長”に重きを置いていることがうかがえる。


「あなた自身が、あなたの一番の応援者に」

ミーティングの終盤、岩瀬さんはこう漏らした。

「一人で頑張ってると、どうしても弱気になっちゃって…」

それに対して角氏は、こう返す。

「誰よりも岩瀬さんが、岩瀬さんのために頑張ってるんですよ。だからこそ、自分で自分を認めることが何よりも大事なんです」


編集後記

婚活とは、誰かに出会う旅であると同時に、「自分自身」と向き合う旅でもあるのかもしれない。岩瀬さんのように悩みながらも進もうとする姿勢、そして角氏の伴走するようなメンタリングは、多くの人にとっての希望となるだろう。