「出会いはある。でも気持ちが動かない」

マッチングアプリや結婚相談所を使ってみたけれど、なぜか恋愛がうまくいかない——そんな経験はありませんか?

今回は、40代前半の会社員・山田さん(仮名)が、自分自身を見つめ直すことで恋愛に対する向き合い方が変わっていったプロセスをご紹介します。


■ 「彼女がほしい」と思っていたけれど…

山田さんは、恋人が欲しいという気持ちから婚活を始めました。マッチングアプリや相談所も活用し、数人と会ってみたものの、なぜかうまくいかない。

「会話もそれなりにできるし、頑張ろうとしてるんですけど、どこか気持ちが乗らないんです。無理に盛り上げようとしてる感じというか…。でも、その原因が自分でもよくわからなかったんです」

誰かと会うたびに、「これでいいのかな?」という疑問がよぎる。そんなモヤモヤを抱えながら、彼は私のコーチングセッションを受講しました。


「理想の自分」を演じてみる

そこで私が投げかけたのは、こんな質問。

「理想の暮らしを、具体的に言語化してみてください」

「年収1億円で海外に住んでいて、楽器が弾けるパートナーとタワマンに住んでる……そんな生活が理想です」

少し照れながらも、自分の本音を言葉にしていく山田さん。そして、それに対する私からのアドバイスはこちら。

「その“理想の自分”を、今から演じてみてください」

タワマンに住んでいなくても、収入がそこまでなくてもいい。ただ、「その生活を送っている人のように振る舞う」ことで、セルフイメージが自然と高まっていく——という考え方です。

「最初は半信半疑でしたが、服装や姿勢、人への接し方を少し意識するだけで、何か気持ちが変わったんです。理想が“夢”ではなく“可能性”として感じられるようになってきました」


「誰かに変えてもらいたい」と思っていた自分

その過程で、山田さんは一つの本音に気づきます。

「僕はたぶん、恋愛を通して誰かに自分を満たしてもらいたかったんだと思います。自分の人生が停滞しているから、誰かが現れて変えてくれるんじゃないかって。でも、それって結局“依存”なんですよね」

恋愛をする以前に、まずは“自分がどうなりたいのか”が大事。それがないと、どんなに出会っても、相手との関係は深まらない——そう気づいてくれました。


人と自然に関われる場所に飛び込んでみる

では、理想に近づくためにはどうしたらいいのか?

山田さんが始めようとしているのは、「人と自然に関われる環境」に身を置くこと。

たとえば、英会話スクールやカフェでの接客バイト、副業など。出会いを目的とするのではなく、会話や人間関係を“練習”する場として捉えるという発想です。

「いきなり恋愛じゃなくていいんですよね。まずは人と関わる感覚を取り戻して、“楽に人と話せる自分”を育てることが、結果的に恋愛にもつながるんだと思います」


恋愛も婚活も、“自分を好きになる旅”の一部

最後に、山田さんはこんなふうに語ってくれました。

「恋愛や婚活って、“誰かと出会って終わり”じゃないと思うんです。
むしろ、“自分を好きになる旅”の途中に出会いがあるだけ。
だからまずは、理想の自分を生きること。すると、その姿に自然と共鳴してくれる人が現れる気がします」


編集後記

婚活がうまくいかないとき、焦りや自己否定に陥りやすいもの。でも大切なのは、「本当に自分はどうなりたいのか?」を問い直すことかもしれません。

理想の自分を明確にして、少しずつ“それっぽく”振る舞ってみる。
その小さな行動が、自信と人間関係を育てていく第一歩になります。
皆さんも少しずつで良いので、取り組んでみてくださいね。